不動産サービス大手のCBREはこのほど、高級店舗が並ぶエリアの賃料動向をまとめた。それによれば、21年第3四半期の東京・銀座ハイストリートの賃料は1坪当たり月額24.15万円(前年同期比4.7%減)だった。消費増税前に駆け込み需要があった2年前との比較では30.2%の減少幅となった。高級ブランドの出店ニーズが見られるものの、国内のリテーラーが集積するエリアは出店の勢いに弱含み感があるとした。
今後の賃料水準は、22年第2四半期にかけて横ばいで推移し、第3四半期に0.6%の上昇を予測している。向こう2年間で2.1%上昇を見込み、コロナ禍前の19年第4四半期に比べて4.5%減の水準まで回復するとした。9月末で緊急事態宣言が終了したことで人出が増えており、小売市場の回復が期待されるといい、同社が予測するよりも早い時期に賃料が上昇に転じる可能性を指摘した。
表参道・原宿エリアのハイストリート賃料は同17.38万円で1年前の同じ時期と変わらなかった。明治通りにある比較的面積の大きい複数の募集物件では、賃料総額が高額となるため出店の引き合いに弱さが見られるとした。半面、賃料単価が相場を下回る物件や賃貸条件に柔軟な物件には引き合いがあるとした。
新宿エリアのハイストリート賃料は同17.20万円(同3.1%下落)だった。高級ブランドの出店立地から外れた場所で賃料が弱含んだことが主な要因だが、リテーラーが提示する賃料水準は相場並みという。渋谷ハイストリートの賃料は、出店ニーズに対して潜在的な供給が増えていることで前年同期比0.7%下落にとどまり、1坪当たり月額12.68万円となった。