リクルートのSUUMOリサーチセンター(池本洋一センター長)は、2023年度(23年4月~24年3月)に「賃貸住宅入居者の動向調査」を実施し、全国(一部地域を除く)における賃貸契約者の動向を公表した。魅力を感じるコンセプト賃貸住宅は「防災賃貸住宅」が35.1%で最も高く、「ZEH賃貸住宅」は23.0%だった。住まい探しの際に「ハザードマップ」を利用した割合は40.2%。地域別に見ると、東北(45.3%)、首都圏(43.4%)、東海(43.0%)が他エリアに比べて高いことがわかった。「ZEH賃貸住宅」の魅力としては、「光熱費を抑えることができる」が63.0%と高く、経済的メリットを感じる人が最も多いとした。また、半数近くが「停電など災害時に強い」(49.6%)ことに魅力を感じている。
SUUMO編集長兼SUUMOリサーチセンター長の池本洋一氏は、「地震や気候変動に対する賃貸住宅居住者の意識が、色濃く出る結果となった。防災賃貸住宅に魅力を感じる人が多いという結果のほか、4割が住まい探しの際にハザードマップを利用していることが分かった。特に、過去に大規模災害を経験した地域や今後リスクが高いとされるエリアで、その傾向が顕著だ。また、断熱・省エネへの関心も高まっており、ZEH賃貸住宅の魅力として光熱費が抑えられるという経済的メリットに加え、防災への意識も見受けられる。このような入居ニーズを考えると、新築だけでなく賃貸住宅を含めて、防災・減災設備の充実や、省エネ化や再エネ化に取り組んでいくことは、オーナー、入居者双方にとって有益である」と解説した。