売買仲介

相続土地の地価や広さ、筆数が売買率に与える影響 TRUSTART

 不動産テック企業のTRUSTART(東京都港区)は、同社で提供している「不動産ビッグデータ分析レポート」の第5弾として、相続した土地の地価や広さなどが「売買率」に与える影響に関する分析調査の結果をまとめた。同社運営のウェブサイトから無料でダウンロードできる。

 今回の分析調査では、2023年1月から同年3月までの期間に相続登記され、そのうち、その後の2024年3月までの1年間に、所有権の移転売買登記がされた割合を「売買率」と定義し、地積や国土交通省の公示地価などの指標を基にまとめている。また、相続登記時と同時に申請した不動産の数にも着目し、その後の売買率の傾向も調べた。

 全国で見ると、相続筆数は「10平方メートル未満」が最も多く、土地が広くなるにしたがって漸減していく。売買率は「40から120平方メートル」の範囲が最も高く、それよりも広くなるにしたがって徐々に低下する。また、「30平方メートル未満」の土地も売買率が低い傾向にある。

 これらに関して、相続筆数上位の10都道府県別でも分析調査している。例えば、「東京エリア」では、相続筆数は「30から120平方メートル」の範囲が多く、全国の傾向とはやや異なっている。売買率に関しても全国の傾向とは異なっており、広い土地でも売買率は低下せず、逆に高い傾向にある。東京都内での広い土地の重要の高さをうかがえる結果となっている。

 更に、同様の期間比較で、公示地価の観点で全国を見ると、相続筆数は1平方メートルあたりの公示価格で「2から4万円」が最も多く、そこからはほぼ単調に減少する。公示価格が高くなると、売買率も上昇する傾向がある。これは、地価の高さが需要の高さも示し、その需要の高さが売買の活性化にもつながっている。更に「東京エリア」では、公示価格で「30から50万円」の土地が高頻度となっており、全国とは大きく異なった分布となっている。