経費精算や請求書処理などの支出にまつわるクラウドサービスを提供しているTOKIUM(東京都中央区)と、全国ビルメンテナンス協会(東京都墨田区)、現場DXプラットフォーム「カミナシ」を提供しているカミナシ(東京都千代田区)は、セミナー「ビルメンテナンス業界の人手不足を解決するDXノウハウを徹底解説!」をオンラインで共催した。効果的な人材マネジメントと、バックオフィスのDXについて解説した。
カミナシ・プロダクトマネージャーの田辺誠也氏は、外国人従業員を含む全ての従業員の即戦力化や組織定着のための効果的なDXの方法について、「ビルメンテナンス業界も、ほかの業界と同様に人手不足が深刻化し、特に若手人材の採用が厳しい状況にある。国内の外国人労働者は2024年に前年比プラス30万人の230万人となり、外国人人材の存在感が高まっている。ビルクリーニング業界の外国人人材は、2021年の362人から2024年には4635人と約13倍に急増している。こうした背景で、マネジメントや受け入れ体制づくりが企業の課題感に上がる」と現状を説明。その上で、「2027年には、技能実習制度から育成就労制度に移行し、きちんとした体制づくりが一層重要になる。人材が定着するために、適切なコミュニケーション体制、充実した業務マニュアルに加え、生活面のサポートが大事になる。その施策課題の解決のカギとなるのはDXにある。ノウハウの言語化や情報の集約を図るため、シンプルに運用できるシステムの導入が有効な選択肢で、個別機能ではなく、複数機能を搭載したプロダクトを導入することがポイントになる」と説明した。
TOKIUMビジネス本部マーケティング部の齊藤慈英氏は、事例に基づき、人手不足を解消するための経理DXについて、「経理業務は、全従業員、全社的に影響するため、人手不足の解消策の1つとして、経理DXが有効な手段となる。経理業務を効率化することで、教育制度や労働条件の見直しや、マニュアルの整備のための時間を創出できる。これらに際して、業務をデジタル化すれば、書類のやり取りや押印などの手間を省力化し、全社的にも工数の削減につながる。従前のプロセス自体を削らなくても、その中の不要な工数の削減や軽減ができる。また、経理DXで情報の入力ミスを防ぎ、ガバナンスの強化や、BCP(事業継続計画)の対策にも寄与する」と解説した。