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特別企画 AIで不動産価値の将来予測 資産比較と相続税評価を追加 2月にバージョンアップ、より使いやすく コスモスイニシア 「VALUE AI」

コスモスイニシアは2月25日、一棟投資用不動産投資プランシミュレーションサービス「VALUE AI(バリューアイ)」をバージョンアップした。同サービスは、投資用不動産に特化した人工知能(AI)による査定サービス。不動産価値の将来予測と投資プランのシミュレーションを無料で行えるのが大きな特徴だ。

 具体的には、築50年までの賃料変動、稼働率、表面利回りをAIが査定する。また、自分の希望に合わせ投資プランをシミュレーションできる。更に、スマートフォン対応も同サービスの特徴として挙げられる。
 同サービスは、不動産業界初の不動産オーナー向けサービスとして提供を開始してから2年が経過。利用者の声・税理士のアドバイスが、今回のバージョンアップにつながった。バージョンアップのポイントは、一つは不動産ポートフォリオを3パターン組むことができ、ポートフォリオごとに将来価値を比較することが可能になったこと。もう一つは、税理士の豊田章成氏が監修し、売却や新規購入などの意思決定を行ううえでより判断しやすい表示画面への変更と、推定相続税評価額の自動計算機能を追加したことだ。

 今回のバージョンアップについて、ソリューション本部カスタマーリレーション課の高橋元章氏は、「複数物件を持たれているお客様が、現状と、資産の入れ替えや売却をした場合とで、それぞれのパターンでキャッシュフローや相続税評価額、資産性の変化などを可視化することで、単純に比較できるところが提供価値」と言う。また、1物件のみ所有する場合でも、同じ物件で3パターンの融資プランを入力し、それぞれのローンの状況やキャッシュフローなどを比較できる。

 更に、同社では、利用者に対して税理士への相談支援も行う。今回のバージョンアップで、固定資産税額から相続税評価額の概算を算出する機能を設置したが、簡便法での算出となっており、実際の金額と比べて10〜15%程度の乖離がどうしても発生してしまう。税理士相談会支援を行うことで、より精緻な金額を求めるニーズに応えたいと考えるためだ。

〝AI〟と〝営業の相場観〟とのセットが付加価値に

 同サービスは、物件の将来の価値をAIで査定する一方、ただ機械が算出しただけの相場を表すものではない。高橋氏は「弊社の営業の相場観や売買のタイミングなどのアドバイスと、(同サービスを)セットにしてワンストップソリューションサービスとして提供していきたい」と位置付ける。

 今後も、入力方法の見直しや中古物件の査定などより利用者のニーズに応える形で、更なるバージョンアップを検討している。