ポラスグループで仲介業務や賃貸管理などを展開する中央ビル管理(埼玉県越谷市、中内晃次郎代表取締役)は4月10日、入居者向けの専用アプリ「Room‘Spot(ルームスポット)アプリ」を開発し、サービスを開始した。主な機能は(1)修理の受け付け、(2)入居者ポイントの確認、(3)退去申請、(4)メッセージ機能――となる。4月20日現在で同アプリのダウンロード数は計1350件と好調なスタートを見せている。
同社は19年10月から、家賃や共益費などの支払いに応じてポイントを付与し、賃貸物件の住み替え時や住宅の購入時などに利用できる「入居者ポイント制度」を導入。しかし、利用件数は今年3月度(同社の締め日は3月20日)までで16件にとどまっていた。同アプリの開発・導入により、ポイント制度の周知徹底を図る。
4月14日にはIT重説(ITを活用した重要事項説明)の仕組みを活用して、同アプリに関する説明会を実施した。同アプリの利用対象者は同社の管理物件の入居者(法人・駐車場契約などを除く)で、同社がアプリ使用を呼び掛けた顧客のみ。
導入目的は(1)入居者ポイント利用件数の増大、(2)入居者とのコミュニケーション機会の拡大、(3)同社の業務効率の向上――がある。
同アプリでは、メッセージ機能を通じて不具合箇所の写真添付も可能。入居者ポイント制度におけるポイント数はトップ画面から確認できる。同社から情報通知が行えると共に、引っ越し業者など提携会社の情報配信もできる。現在の提携先は5社で、今後増やしていく方針だ。
同アプリのダウンロード数はサービス開始の当初3日間で1000件以上、4月20日現在で1350件。入居者ポイントの確認件数は当初3日間で50件、4月20日現在で100件と、出足は好調だ。
同アプリの導入により、年間目標として、入居者の住み替え対応に154件、自宅の購入対応に40件、同社の業務削減時間として2300時間を設定している。
IT重説を全店で
今回の説明はIT重説の仕組みを活用したもの。同社営業推進課の原桂太課長は「始めたきっかけは国土交通省の電子契約の社会実験。昨年10月から12月までが社会実験だったが、その後に本格運用している。新型コロナウイルスの影響で、接触を避けたいお客様には非常にニーズがあるのではないか」と述べる。
当初は2カ店だったが、2月度からは全営業所で取り扱いを開始している。利用件数は2月度(1月21日~2月20日)が16件、3月度(2月21日~3月20日)が27件と増えた。4月度(3月21日~4月20日)では実施済みが7件、予定が5件となる(4月14日時点)。
なお、3月度の27件において、顧客の年齢層は10代が11件、20代が6件、30代が2件、40代が5件、50代が2件、60代が1件。大学進学による引っ越しなど若い世代の利用が多かった。