主要住宅メーカー各社の5月度受注速報(金額ベース)が出そろった。4月度に続き、大幅なマイナス状況が続く。要因は新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした外出自粛、緊急事態宣言に伴う展示場の一時的な休業・閉鎖などが影響した。また、先行き不透明感が漂う中で、住宅購入検討者は慎重になり、商談や打ち合わせの長期化も見られる。
戸建て・賃貸関係を企業別で見ると、積水ハウスの「戸建住宅」は前年同月比(単月)19%減、「賃貸住宅(RC造除く)」は同24%減、「分譲住宅事業」は同41%減。
大和ハウス工業は「戸建住宅」が同26%減、「分譲住宅」が同27%減、「集合住宅」が同39%減。
住友林業の「戸建注文住宅」は同24%減。高額物件比率は増加しており、1棟当たりの単価は前年同月を上回ったという。「賃貸住宅」は同8%減で、オンラインでのコンサルティング営業の取り組みを強化していく方針だ。
旭化成ホームズでは、戸建てと集合住宅の「請負住宅」が同66%減。
ミサワホームの「注文住宅」は同26%減、「建売分譲住宅」は同50%減。一方、「賃貸住宅」は同25%増と善戦。戸建て系ではなく、共同住宅系が伸びており、金額ベースでは上昇傾向にある。
三井ホームの「専用住宅(戸建て)」は同31%減。
パナソニックホームズは「戸建住宅」が同51%減、「集合住宅」が同49%減、「分譲住宅」が同30%減。
なお、棟数ベースで公表している積水化学工業の「住宅受注(戸建てと賃貸)」は同27%減。
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受注の減少幅は20%台から60%台までと、各社とも厳しい数字が並ぶが、緊急事態宣言の解除に伴い、3密回避など新型コロナウイルス対策を施しながら、展示場での集客、見込み客の獲得、受注回復を図っていく。