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不動産取引額は14%減 JLL調査 上期・商業用 都心5区の投資割合も減少

 JLLは8月26日、20年上半期(1月~6月)における日本の商業不動産取引額(確定値)の分析レポートを公表した。国内取引額は前年同期比14%減の1兆9293億円、第2四半期(4月~6月)では同30%減の7292億円。新型コロナウイルスの影響で取引額は減少している。

 投資額は500万ドルを超えるすべての取引、REIT組成を含む。商業用不動産には法人単位の取引(不動産以外の資産を持つ一般的な法人のM&A)、開発案件、集合住宅への投資を含まない。上半期の地域別の投資額では、東京都心5区(千代田・中央・港・渋谷・新宿)の割合が36%、18年上半期の47%、19年上半期の45%に比べて大きく減少した。東京都を除く首都圏(千葉・埼玉・神奈川)は物流施設の取引増加により27%の割合を占めた。

 セクター別の投資額の割合は、オフィスが51%と例年並みの水準。新型コロナの影響を大きく受けているリテールが11%(19年通期は16%)、ホテルが10%(同14%)と減少している。

 上半期のインバウンド投資(海外投資家による不動産の購入)は5048億円、これは前年同期の2.5倍。第2四半期の主な投資先は東京都心や大阪市内中心部のオフィスビルの取得となる。

 先行きの不透明感は続いているが、同社では新型コロナの影響が比較的少ない物流施設やレジデンシャルへの関心は高く、活発な取引が行われると予測している。