アットホームが地場の不動産仲介会社を対象に実施した景況感調査によると、20年7~9月期の業況DIは、調査対象全エリアで前期から大幅に改善したものの、その水準は低位にとどまった。
賃貸仲介における今期業況DIは、首都圏34.9(前期比9.0ポイント増)、近畿圏34.0(同10.6ポイント増)。不動産店からは都心から郊外部への人の動きが活発化しているという声が寄せられた一方、更新契約や法人の転勤減など人の動きの停滞を懸念する声もあった。来期業況の見通しは首都圏34.7、近畿圏35.8で、今期と同水準にとどまっている。
売買仲介においても今期業況DIは大幅に改善し、首都圏39.8(前期比13.2ポイント増)、近畿圏33.2(同10.4ポイント増)となった。不動産店からは、都心部ではコロナ禍の影響が続いているというコメントがある一方で、郊外や駅遠物件への関心の高まりが見られた。来期業況の見通しは首都圏38.0、近畿圏33.1で、賃貸仲介同様、おおむね今期と同水準となっている。
同調査は、居住用不動産流通市場の景況感を四半期ごとに調査・分析し、景気動向の指標として公表することが目的。14年1~3月期に開始し、今回で27回目。調査は、全国14エリアのアットホーム加盟店を対象に、インターネットで9月12日~25日に実施。有効回答数は2038店。