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estie データでビル経営を 大手オフィス賃貸業者の導入進む

 estie(エスティ、東京都文京区)は、オフィス賃貸業向けデータプラットフォーム『estiepro』(エスティプロ)の提供先を広げている。同社創業者の出身校でもある、東京大学エッジキャピタルパートナーズ(東京都文京区)やグロービス・キャピタル・パートナーズ(東京都千代田区)を引受先に第三者割当増資で20年に約2.5億円を出資されるなど、将来成長性への期待も高まっている。

 同社のプラットフォームは、全国7万棟・40万フロアの賃貸オフィスのデータベースを構築して提供している。500万坪の募集床情報や24万件の賃料情報を網羅する。ゼンリングループ(東京都千代田区)との連携による物件に紐づくテナント企業情報のほか、売上成長率や推定賃貸契約面積などの情報まで持つ。不動産会社の新規営業先の開拓や市場分析などで使われている。

独自情報を集約

 独自のデータパイプラインを生かして日々、情報を集約するのが特長。独自開発のAIアルゴリズムで推定成約賃料の分かる「e―賃料」機能は、データ活用に基づく不動産会社の意思決定を支える。地図上に物件情報を配置させてそれらを比較分析し、直感的に情報データを見る市場調査に役立つ(写真)。

 提供先は、中央日本土地建物(東京都千代田区)、東急(東京都渋谷区)、東急不動産(東京都渋谷区)、日鉄興和不動産(東京都港区)、野村不動産(東京新宿区)、平和不動産(東京都中央区)、森ビル(東京都港区)などや、J―REIT運用会社にも広がる。効率的な情報収集、営業戦略の立案や活動を支援している。

 同社では、オフィスの物件探索と、不動産会社から物件の提案も受けられるプラットフォーム『estie』も提供しており、これらの2つのサービスを両軸に事業展開している。不動産業界の課題である「情報データの不足は、テナント入居の企業だけでなく、物件オーナーや不動産会社にとっても、実はデメリットだと考える。今後もデータ情報の整理や分析の効率化を支援していきたい」(同社代表の平井瑛氏)と話す。