CRM(顧客関係管理)プラットフォームなどを提供するHubSpotJapan(日本法人・東京都千代田区、米国ボストン)は、「オペレーション」に関する勉強会を、8月25日に開催し、オンラインで配信した。企業でのDXの推進を阻む要因には「分散・分断」の状況がある。その課題の解決と共に〝顧客体験の質の向上〟の実現を図るためには、「オペレーション」と呼ぶ組織や機能が鍵を握ると強調した。
DXの取り組みでは、目先の「デジタル化」に陥りがちとなる。同社マーケティングチームマネージャーの亀山將氏は、「ツール・情報・組織・戦略が、社内で分散・分断した状態で行う断片的な取り組みは、現場の負担を増やし、生産性を下げる。DXの本質的な目的の〝競争力向上〟につながらない」と指摘した。
普及の進む「CRM」ツールを導入しても、営業の遂行方法が商材ごとに異なったままに、手作業が多く、そもそも社内の蓄積データに信頼を置けていない状況がある。背景には、ジョブ型雇用やデジタル化で顕著になった「属人化」や「属チーム化」で、社員ごとに顧客の情報やツールが分散し、うまく引き継ぎができない。部署間が分断し、見込み客の状況を横断的に把握できていない実態がある。
その解決には、「オペレーション」の組織や機能の観点が必要とした。その導入と有効化のため、プラットフォームサービスの活用で業務支援ツールを管理する。業務の遂行過程を再構築して最適化させ、データ分析と戦略立案を行う。これらを横断的に〝集約・連携〟させる全社統合組織の「オペレーション」が主導する。かつ、その組織は、顧客と直接の接点を持つことが大切で、「企業全体の競争力を高め、最も重要な顧客体験の質を向上できる」と強調。その姿を具現化させる組織形態として「レベニューオペレーション」が世界で活発化していると説明した。