オンラインで本人確認ができる「eKYC」サービスなどを提供するTRUSTDOCK(東京都千代田区)は、本人確認・認証、デジタルIDに関して第三者の専門的な意見を求めるため、21年7月に設置した同社の諮問機関「アドバイザリーボード」の中間のとりまとめを、同年12月15日にウェブで配信した報道機関向けの勉強会で明らかにした。今夏に総とりまとめを行う。今後は、議論の結果や蓄積してきた知見を広く社会に還元していく。
当日は、21年8月に同社などが実施した合同調査結果を紹介。非対面の本人確認が一定程度に認知され、外出しないで完了するなどのメリットがある一方、個人情報の扱いに不安の声も多いと説明した。同社社長の千葉孝浩氏は、「法令上の要請に限らず、活用場面が増えている。多面的な視点の議論に基づく、本人確認で信頼されるデジタルインフラの構築が求められている」と背景を説明した。
同諮問機関では、大学教授や弁護士などの専門家が議論を重ねている。今回の中間のとりまとめでは、確認の厳密さ(IAL)の強度にばらつきがあり〝なりすまし〟での当人確認性の担保(BAL)から、マイナンバーカードを活用するなど認証方法の細分化の検討が必要と指摘。透明性や信頼性、説明責任、情報の正確性や取り扱い目的の限定など、eKYC事業者のあるべき姿勢も示した。