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ワンチームで難局乗り越える 全宅連 コロナ禍で定時総会開く

 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)は7月29日、東京都港区の第一ホテル東京で定時総会を開き、19年度事業報告および20年度事業計画、収支予算などの報告事項を行うと共に、19年度決算承認、理事および監事選任を決議した。今回は新型コロナウイルス感染症の影響で例年より1カ月遅れ、規模を縮小しての開催となった。

 あいさつに立った坂本久全宅連会長はウェブ出席、委任状による出席など極力「密」を避ける形での開催となった経緯を説明した。19年度からの取り組みについては「念願の『低未利用地の利活用促進のための100万円控除制度の創設』『賃料助成制度の要望・実現』『銀行の不動産仲介業参入阻止』など実り多い活動になった」と振り返り、「コロナウイルスの収束が見えない状況下では、10万会員および40万従業者の経済活動の維持と雇用確保は大命題だ。政府の掲げる『新しい生活様式』にマッチした不動産取引形態や協会の行う研修・会議についてもオンラインやウェブを活用し、更なるデジタル化について創意・工夫を重ねていく」と述べた。

 また、国土交通省において7月から局の名称が「不動産・建設経済局」に変更されたことに触れ、「国民生活・経済における不動産の重要性が改めて認識されたものと受け止める。『ワンチーム』の理念の元、ハトマークグループの連携強化と組織力向上により今後も皆様の業務支援を念頭に公益活動の充実を図っていく」と述べた。

 20年度事業計画は、公益目的事業では(1)不動産に関する調査研究・情報提供事業として、不動産税制等への提言、改正民法および関連諸法令・既存住宅市場活性化の適正な運用に向けた対応、(2)不動産取引等啓発事業として、不動産総合情報誌『リアルパートナー』の発行や安心R住宅制度の普及促進活動、(3)不動産に係る人材育成事業として、消費者や不動産実務者向けセミナーの実施、ウェブ研修システムを活用したコンテンツの充実化などを推進する。