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多様な働き方、企業価値向上へ シリーズ・SDGs実現に挑む 価値住宅・ゴール(8)「働きがいも経済成長も」など

 売却専門のVC「売却の窓口」を展開する価値住宅(高橋正典社長)。住宅ストックを活用した安心・安全の住まい提供、サステナブルな住宅循環システムの実現などSDGsの目的とする「住み続けられるまちづくりを」や「つくる責任つかう責任」に積極的に取り組む。

 26人の社員構成は10代から70代までと幅広い。特に4年前に開始した障がい者雇用は出色だ。業界の8割以上が従業員4名以下という少人数の宅建業界でリーディングカンパニーを目指すため、戦力としての障がい者雇用を実施する。働き手の障がいに配慮し、北海道と大分県に住む3人は完全在宅勤務。社員の特性を踏まえ顧客リスト作成や住宅履歴の登録、VRリフォームプラン作成まで、幅広く業務を振り分ける。

 高橋社長は「多様な働き方を許容する会社の風土や姿勢が、他の社員の会社に対する信頼感につながる。社会的意義のある活動は社員の離職を防ぎ、事業継続という大きな利益を生む」と説明する。

 都内を拠点に売買事業を営む同社では、コロナ禍で取引件数が1.5倍に増加した。これを商機と捉え、昨年11月には文京支店を出店した。他方、労働環境についても整備を加速し、男性営業担当者の育児休暇取得や外国人雇用など多様な働き方を推進する。「休日を増やし、残業をなくしても売り上げに増減はない。限られた時間の中で創意工夫が生まれる。社員が辞めないほうが会社にとって大きな価値」と語った。