住宅設備機器の交換は、住まいの魅力を再び引き立たせる――。住宅設備機器販売と交換工事をパッケージングした〝ネット見積もり〟のビジネスモデルを強みに、交換できるくん(東京都渋谷区)は、一般消費者向けに加え、法人向けサービスの強化も始めた。「着替えるように、くらしをかえよう」と訴求するサービスの特徴を同社取締役コーポレート本部長の佐藤浩二氏に聞いた。(聞き手=坂元浩二)
――交換サービスを。
「トイレやガスコンロ、食洗器などの住宅設備機器の交換に際して、見積もりから注文までをネットで完結できる。ユーザーが撮影する現況写真を基に、現地調査を要せずに工事費を含めた見積もりを提示し、料金を明確化している。住宅設備機器の単品交換に特化してきた20年超の知見やノウハウの蓄積から、見積もりで高い精度を確保し、施工時に追加費用が発生しない。施工技術でも研さんを重ね、アフターサポートに対応して皆さんに〝安心〟を提供している」
――安心を提供する。
「工事で訪問する当社社員や契約パートナーのスタッフの顔写真入り紹介資料も、事前に注文主に送る。当社の〝顔〟の役割としてマナーなどの〝接客品質〟を常に向上させている。それらの取り組みが評価されて、リピーターを生み、お知り合いを紹介してもらえる好循環となり、信頼と信用を高めてきた。迅速で適切な設置工事は、製品メーカーからの信頼も厚いと自負している。当社のこの信頼のビジネスモデルを法人向けサービスでも本格化していく」
――法人向けに。
「21年11月にGAtechnologiesグループ(東京都港区)と協業を開始した。同グループの賃貸管理物件向けに、設備メンテナンスサービスをワンストップで提供していく。最新テクノロジーを活用したサービスの提供スタイルで、両社には親和性がある。一般的には入居者と管理会社、施工者の間で現地調査などの日程調整が必要だが、当社のビジネスモデルでは、実際の工事以外はネット見積もりなどのウェブでやり取りし、手間を省ける」
――手間が掛からない。
「日常の〝困った〟に対応する当社サービスを今後は、管理会社や不動産オーナーにも訴求し、新築物件に入居する際に付帯する生活支援サービスとしても提供したい。現在、21年からサービスの提供を始めた中国・東北エリアや、エリアを拡大した関東地区などの全国主要7大都市圏を軸にサービスを展開しており、ブランドを一層浸透させていく。最新テクノロジーを発展させた〝オンライン設備管理プラットフォーム〟も構築して、入居者や不動産オーナー、管理会社、工事業者との〝つながり〟をより深めていきたい」