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マーキュリーリアルテックイノベーター 仲介業務の支援強化へ ビッグデータを強みに

 不動産マーケティング・データベースを軸にしたソリューションを提供するマーキュリーリアルテックイノベーター(東京都新宿区)は、強みとするビッグデータやAI(人工知能)技術を融合したサービスを通じて、不動産仲介業務の支援を強化する。21年に旧社名マーキュリーから変更し、2月には東京証券取引所マザーズに新規上場。設立30周年の節目をアクセルに、不動産支援会社から〝ビッグデータプラットフォーマー〟へ、自社の業務も変革する。

 同社は、設立以来、新築マンションの戸別データを蓄積している。そのビッグデータを不動産ディベロッパーや不動産ポータルサイトなどに提供してきた。今後は、サービスプラットフォーム『Realnet』(リアルネット)などを通じ、仲介業務を支援するサービスを拡充させる。

パンフレットのダウンロード

 新築時のパンフレットやコンセプトブック、図面集を入手できる「ダウンロードサービス」は、商談時に有用として現在、2200社に上る不動産仲介会社などが活用。来店率が向上する、と評価されているようだ(イメージ写真)。

 不動産ディベロッパーなど向けに提供するエリア分析サービスの「サマリネットシリーズ」は、物件開発や販売予定、売れ行き情報を集約し、地図情報と連動して分かりやすい。営業履歴などを可視化し、開発事業の戦略や商品開発のマーケティングに使われる。スマートフォン版データサービスも展開してく。クラウド型不動産ポータルサイト『リアナビ』でも市況や統計情報を得られる。

蓄積した中古物件情報

 30年にわたり蓄積した新築物件情報は、取引流通量の高まる「中古物件情報」となり、18年から本格的に運用を開始した。近隣類似物件からの価格査定機能に加え、価格形成に影響する株価や原材料費、交通アクセス、周辺環境などの外的要素を加味して算出できるように機能を更新する。

 マンションオーナー向けに運営する不動産メディア『mansion Value』(マンションバリュー)は、最新情報などを得られるプラットフォーム。今後、機能を向上させ、潜在的な〝売り主〟や〝売り物件〟も顕現化させるように発展させる。また、『DXサポート』は、各社が保有する貴重な情報を〝使える〟データとして活用できるように、コンサルティングの相談で応えていく。

 同社取締役COOの大寺利幸氏は、「当社の新入社員は人材教育の一環として、モデルルームを訪問して情報収集するなど〝現場〟を知ることから始めており、その後のシステム開発に生かしている。現場の目線や感覚を重視して正確性や網羅性を担保し、今後もデータと最新技術から〝新たな価値〟を生み出していきたい」と話している。