Psychic VR Lab(東京都新宿区)と、KDDI(東京都千代田区)は、空間のメディア化ソリューション『XRscape』(エックスアールスケープ)の提供を2月1日に始めた。5G(第5世代移動通信システム)やVPS(仮想専用サーバー)などの「XR技術」を用いた。広告主となる導入企業などは、実在の都市空間と、バーチャル映像のコンテンツを重ね合わせて〝デジタル広告〟を設置できる。
近年、随時に表示内容を変えられるデジタルサイネージ(電子掲示板)の設置が一部で進んでいる。ただ、設置場所の制約など、物理的な課題がある。市街地の空間には既に従来タイプの広告が設置されているために、都市空間全体を〝ステージ〟として見立てて、プロモーション活動を行い、生活者に訴求することが難しかったと両社は考えた。
そこで今回、両社が開発したソリューションでは、街中の回遊性を高める効果のある「AR(拡張現実)スタンプラリー」などを簡単に行えるなど、活用する広告主の企業やイベントの主催者が都市空間を活用した大規模なプロモーションを容易にできるようにしている。来街者は、KDDIの専用XRアプリ『SATCH X powered by STYLY』を起動すると、そのスマートフォンを都市空間にかざすだけで、デジタル広告などのコンテンツを〝体験〟できる(イメージ写真)。
現在、パルコ(東京都渋谷区)と協力して、渋谷PARCOの1階と10階の2つの空間を新ソリューションの対応施設としている。今回の都市空間向けのコンテンツの制作と配信は、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡・京都の6都市で対応している。全国の都市や施設にも拡大していく。