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「社用車」の管理と新たな活用 アルコール検知やシェアリング

 不動産営業や内見時などに活用する「社用車」の管理でデジタル化が進んでいる。業務効率化や〝安全運転意識〟の向上にもつながるとして、「車両管理システム」が提供され始めた。

 不適切な車両管理は事故につながりやすい。使用者責任の損害賠償や保険料負担の増額、企業全体の信用力の低下などのリスクが高まる。車両管理システムは、車両や運転者、運行状況を可視化し、管理を自動化できる。営業先の訪問回数などのデータの分析で事業戦略の立案にも役立つ。長時間勤務が判明し、社員の健康に配慮もできる。

不動産業務で

 注文住宅の健康住宅(福岡市城南区)は、SmartDrive(東京都千代田区)が提供する、シガーソケットに挿し込むだけの『SmartDrive Fleet』を導入。社員同士の予約機能で社用車を効率よく稼働させ、追加機能で、急発進の発生場所などの走行状況を可視化するレポートの提供を受け、安全運転指導に役立てている。

 社用車の新たな活用方法も始まっている。しぇあくる(名古屋市中区)は、社用車を社員とシェアリングするサービスを企業各社に訴求。NTT東日本とNTTル・パルクは、地域の企業や住民でも利用のできる「カーシェアリングサービス」を4月に始めた。

 また、4月の道路交通法施行規則一部改正で「アルコールチェック」が義務化された。10月からは実際に「検知機器」を使う必要がある。チェックを終えないと車両使用の承認が下りない機能など、確実に確認できるサービスもある。車両管理システムにチェック機能を付帯して、または単体サービスで、AIoTクラウド(東京都江東区)、ジェネクスト(横浜市港北区)、SmartDrive、テレニシ(大阪市中央区)、東亜産業(東京都千代田区)、東海電子(静岡県富士市)パイオニア(東京都文京区)が提供を始めた。

 今後は対面の場面も徐々に増えていきそう。その〝足〟となる社用車の管理や活用ついて改めて考える機会になるかもしれない。