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大言小語 たなごころ

 いよいよ明日5月18日、改正宅地建物取引業法が施行される。不動産の取引でも電子契約を本格的に運用できる。新たな暮らしに思いを巡らし、気持ちを込めつつ朱肉で染めていた印鑑は、不動産契約時に不要となる。一抹の寂しさを覚えそう。

 ▼先行して「IT重説」は本格運用となり、定着し始めた。電子契約も同じ道筋で一般化していくことと思う。国土交通省は4月27日に、電子書面の交付に関する「マニュアル」を公表した。注意点は実務上で参考になる。

 ▼活用したい、または、既に駐車場契約などで活用する不動産企業にとって電子契約は、業務運営の節目になる。住まいづくりや部屋探しの場面で消費者が手間なく手続きできる。とかく、ハードルが高く感じられがちだった不動産が、より身近な存在になるのかもしれない。

 ▼手続きを一気通貫に電子化する世界観で〝意思疎通〟に課題を感じるかも。そうした背景に、ビデオ会議ツールの「Zoom」は新機能を追加。手振りのジェスチャーを認識し、絵文字のリアクションで拍手ができる。共感や賛同などを伝えやすくした。

 ▼手のひらは、掌(たなごころ)とも言われる。手のひらには〝心〟が宿っている。これまではじっくり、しっかりと押していた印鑑が、たとえ、ドライで簡素なパソコン画面に代わったとしても、心を込めてクリックすれば、きっと、それぞれの当事者が抱く願いや希望などが伝わるはず。