賃貸住宅において、孤独死は高齢者に限られた問題ではない。テレワークの浸透、在宅時間の増加を背景に、不慮の病などで倒れたまま孤独死に至るケースもあれば、若者の自死に関する報道も増えている。少額短期保険の(株)宅建ファミリー共済(笠間雅夫社長)は、賃貸物件を取り巻く環境の変化に対応した家財保険を提供し、全国で営業網を拡大中だ。保険代理店の(株)山野井(神奈川県横浜市)代表取締役の山野井幹正氏と妻の美央氏に宅建ファミリーを選ぶ理由を聞いた。
京急および横浜市営地下鉄の上大岡駅から徒歩2分に位置する同社。上大岡を中心に、売買・賃貸仲介や賃貸管理業務を営み、管理戸数は1200戸以上を数える。
羽田空港直結や都心アクセスなどのよさから学生や単身社会人に人気のエリア。春の繁忙期ともなると賃貸仲介件数は60~70件に上るという。今春はコロナ禍の影響で3分の1に激減したが、「サブリースしていた会社から通常の管理委託を受ける管理替えが増加したことで、固定数値につながった」(幹正氏)。
秋の繁忙期は賃貸需要の高まりと人の移動を実感するという。一方、学校の休校や会社のテレワーク対応を受け、住む場所としての見直しが始まる可能性を示唆する。「入社式直前で採用が取り消しとなり、部屋の引き渡し翌日に鍵が返ってきた例もある。小学校周辺で進んでいた分譲マンションの開発が止まるなど、今後、売買需要や土地の変化が賃貸市況に与える影響も懸念している」(幹正氏)。
そんな中、同社は賃貸対策強化のため少額短期保険を検討。「ハートステーションの推奨商品であり、当社会長が神奈川宅協副会長を務めた縁もある」と今年3月、宅建ファミリーの保険代理店として始動した。損保の代理店として孤独死を経験したことも大きかったという。「損保には遺品整理・特殊清掃費用への保険金支払い制度がなく、対応の重要性を認識した。宅建ファミリーの保険であれば遺族やオーナーの負担軽減に加え、加盟する入居者や周囲の安心につながる」(美央氏)。
宅建ファミリーの強みとして簡素化された事務手続きを挙げる。「朝契約してそのまま入居を希望する人もいる。パソコン入力の当社では入金が済めば、すぐに証券の発行が可能。その場で手渡せるため、タイムラグや郵送によるトラブルも発生しない」(美央氏)。入力業務も簡便とし、「今では各スタッフが入力、発行できるようになった。建物構造が違っていても、一律に同じ保険料で、同じ保険内容が受けられる点もいい。使い方が不明な際も、事務センターが親切に案内してくれた」と運用面でも満足げだ。
事業者連携も円滑に
同社では現在、新規客に宅建ファミリーの保険商品を案内し、月6~7件の契約につながっているという。代理店のメリットとして、(1)安定した保険手数料、(2)即日証券を発行できる分かりやすさ、(3)ハトマークが付いている安心感を挙げ、「近隣の宅建業者も使っているため、事業者間の情報共有も進む。パソコンでもFAXでも対応できる柔軟性は、会員支援というスタンスの宅建ファミリーならではだと思う」(美央氏)。
代理店になって以降、まだ事故に遭遇していないというが、「新規契約は宅建ファミリーの保険と考えている。今後は特殊清掃・遺品整理の補償内容がより充実した『新ハトマーク補償ワイド』の案内に注力していく」(幹正氏)。