鈴廣蒲鉾(神奈川県小田原市)と、本田技研工業(以下・HONDA、東京都港区)は、電気自動車(EV)を移動の手段としてだけでなく、「蓄電池」としても活用できるよう、実証実験に着手した。23年2月まで行う。EVと建物間で効率的に電力を融通するエネルギーマネジメントを通じ、環境負荷ゼロの循環型社会の実現を目指していく。
実証実験は、HONDAがEVとエネルギーマネジメントシステムを提供し、鈴廣蒲鉾本社がEVを同社の取引先のある主に小田原市内を中心に業務用で走行させる。移動で使わない時には蓄電池としても活用し、必要に応じてEVから鈴廣蒲鉾本社の社屋に電気を供給する。業務用EVを社屋のエネルギーマネジメント用の蓄電池としても活用することにより、社屋用蓄電池の新規投資を抑制できる(イメージ図)。
HONDAが新たに開発した「エネルギーマネジメントシステム」、EV利用時の消費エネルギーを最適化する「運行管理システム」、EVと社屋の電気利用を調整できる「バッテリーシェアリングマネジメントシステム」の3つのシステムを連携させて活用する。
社屋全体の効率的な電力の利用やEVによる効率的な移動を最適なバランスで両立させる。CO2(二酸化炭素)排出量の削減や、電気利用の平準化(ピークカット)で電気代の低減にも期待できる。