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ニュースが分かる! Q&A 発行始まる「グリーン住宅ポイント制度」 子育て世帯、移住を後押し

 デスク 新型コロナウイルスへの対応から1年が過ぎた。今年のゴールデンウイークも緊急事態宣言中とあって不要不急の外出は控えたよ。

 記者 私は自宅のリビングから押し入れまで大掃除に追われました。断捨離の連休となった副産物で、遅まきながら在宅時のワークスペースを確保することができました。

 デスク 一度目の緊急事態宣言が発令された1年前を思い出せば、住宅展示場はクローズし、一時は集客も落ち込んだ。新設住宅着工戸数は近年減少傾向にあったとはいえ、20年度は前年比8%減の約81万戸だ。ただ、夏以降は郊外の建売戸建て住宅が好調に売れるなど、新たな需要も見込まれている。

 記者 首都圏の買取再販事業者の話でも夏以降、買い手の需要が強まり、売り物不足という声を聞きましたね。低金利の後押しも受け、「21年は攻めの仕入れを進める」と言う事業者もいました。

 デスク リフォームについても、対面や接触への抵抗感から一時は落ち込んだものの、やはりテレワーク対応へのニーズから持ち直しているようだ。バス、キッチン、トイレの水回り3点セットが人気だという。

 記者 在宅時間の増加に伴い、〝かなえたい生活〟を手に入れるという行動に出た人も増えたかもしれませんね。国のほうでも住宅ローン減税やグリーン住宅ポイント制度などにより、消費者の住宅購入を後押ししています。グリーン住宅ポイント制度は、ポイントの発行申請が随時始まっていますね。

 デスク そう。そのグリーン住宅ポイント制度について復習をしたいのだけど、これは一定の省エネ性能を有する住宅の新築やリフォーム等に対して、商品や追加工事と交換できるポイントを付与する制度だったね。住宅投資を喚起して、新型コロナウイルス感染症の影響によって落ち込んだ経済の回復につなげる狙いだ。

 記者 ポイント発行の対象となるのは、20年12月15日(閣議決定日)から21年10月31日までに契約を締結した一定の省エネ性能を有する住宅の新築(持ち家・賃貸)、一定のリフォーム(持ち家・賃貸)や既存住宅の購入について。例えば、特定長期優良住宅やZEHなど高い省エネ性能等を有する住宅を新築する場合、1戸当たり最大40万ポイントを付与。東京圏から移住するための住宅や三世代同居仕様である住宅など特例条件を満たす場合、最大100万ポイントとなります。

 デスク 特例にはこのほか、多子世帯(18歳未満の子3人以上を有する世帯)が取得する住宅、災害リスクが高い区域から移住するための住宅も含まれるのか。

 記者 子育て世帯の住宅取得を後押しする狙いが1つ。また、今回のグリーン住宅ポイント制度では「地方移住」を対象としたのも初めての試みで、新築購入の特例条件に入っています。加えて、既存住宅(持ち家)を購入する場合の対象として、東京圏から移住するための住宅、空き家バンク登録住宅が含まれています。

 デスク 活用できる既存ストックの利用を促進したい狙いも感じられるね。ちなみに受け取ったポイントは、「環境」や「健康長寿・高齢者対応」などに資する様々な商品と交換できるほか、「新たな日常」および「防災」に対応した追加工事の代金にも充当できる。

 記者 ええ。この追加工事を対象としたのが狙いの2つ目。消費者が「新たな日常」に対応するための工事を中小工務店に頼みやすくする環境を整えると共に、地域への経済効果も期待しているというものです。

 デスク 盛りだくさんの支援策だが、消費者に着実に届いて住宅取得の判断材料としてもらいたいね。

 記者 そうですね。利用されて初めて生きる制度ですからね。住宅生産団体連合会(住団連)では、一般ユーザーの理解を促し、潜在需要の掘り起こしや住宅需要の後押しなどを目的にリーフレットを作成、展開しています。

 デスク 今春には国土交通省、経済産業省、環境省の合同による脱炭素化社会の実現に向けた検討会も立ち上がった。「省エネ」「カーボンニュートラル」など、持続的な活動にするためにも、消費者の認知度を高め、信任を得ながら着実に進めていく姿勢が問われるね。