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タスキ 小口化事業を支援へ 電子取引のシステム開発・提供

 不動産テックを活用した新築投資用IoTレジデンスを企画開発するタスキ(東京都港区)は、不動産会社向けに、不動産特定共同事業法(以下、不特法)によるクラウドファンディングシステム『TASUKI TECH FUNDS』のサービスの提供を10月18日に始めた(イメージ写真)。同社がこれまで展開している同事業のノウハウや知見をシステムに反映しており、導入した不動産会社が不動産の〝小口化商品〟を扱う事業をすぐにでも展開できるようにする。

 同サービスは、SaaS型サービスとなっており、インターネットを通じて同社のソフトウェアを活用・操作できる。不特法の第1号事業かつ電子取引業務の許可に基づく「不動産投資型クラウドファンディング」の事業を今後始めたいと考えている不動産会社向けに導入を訴求していく。

 不動産投資型クラウドファンディングは、現物の不動産を〝小口化〟させ、投資家からインターネットを通じて出資を募り、その不動産から得られる賃貸料や売却益から分配金を投資家に還元する不動産投資の仕組み。17年の不特法改正では小規模な事業も対象となり、投資家の募集をデジタルで行えるクラウドファンディング(電子取引業務)の手法も解禁された。これらを背景に、より低廉化させた金額の投資口と、インターネットを通じた手続きの容易さなどから投資家の裾野が広がっている。

全体をコンサル

 同社は今回、不動産投資型クラウドファンディングの仕組みをデジタルで「システム化」して、これを導入企業が容易に使えるようにした。事業参入に、二の足を踏みがちだった課題感を解消する。許認可申請などを支援し、同社で培った業務フローのノウハウなどを提供して、全体的にコンサルティングする。

 そのため、システム開発や構築に掛かるコストや、対象不動産の組成設計、交付書面や利用約款などの作成、これらの保守や運用などの負担を最小限に抑えられる。また、投資家を募集して口座を開設する際の本人確認では、オンライン上で完結する最新技術「eKYC」を採用している。更に、今回提供する「投資型」のシステム以外の、「購入型」や「融資型」などのクラウドファンディングにも機能対応できる拡張性もある。

 同社は、7月に経済産業省から「DX認定事業者」に選ばれている。不動産価値流通プラットフォーム『TASUKI TECH』でのAI(人工知能)を活用したSaaS型土地活用シミュレーター『TOUCH & PLAN』など、最新テクノロジーサービスを今後も開発していく。