Pick Up!
- 住宅ローン基準金利4月1日から改定へ
- 工事費高騰で再開発を延期
- 高級不動産仲介が好調 取扱高1000億円
1週間のランキング・トップ10から記者が気になる記事をピックアップします。まずは、1位の「auじぶん銀行 住宅ローン基準金利4月1日から改定へ(2025/3/25号)」になります。昨年3月にマイナス金利を脱し、日銀が金融政策を変更して以降、金利の先高観が常に意識されるようになりました。特に一般消費者にとって住宅ローン金利は、住宅購入に大きく影響を及ぼすだけに注目が集まります。これまで固定型が先んじて上昇していましたが、昨年7月に続き今年1月にも政策金利を引き上げたことを反映し、大手行は4月から変動型の基準金利を引き上げました。日銀は半年に1回のペースでの利上げを想定しているとされ、今年6月か7月の引き上げを想定する声が多いです。
ただ、想定通りに利上げされるかどうかは予断を許しません。特に米国のトランプ政権の関税政策が企業業績を圧迫するとして株価が急落しています。株式市場にとどまらず、実体経済に悪影響を及ぼすようになり、一般消費者の懐に響くようになれば利上げをしづらくなる可能性があります。都知事選に続き、今年7月には参院選を控えていますので、その前の段階で利上げすることに難色を示す政治家が出てきてもおかしくありません。利上げのタイミングとして9月説もありえます。外資系のアナリストの中には、今年9月に政策金利を引き上げて以降は、その後の利上げは2026年末までないとの見方もあります。
こうした金利情勢に加えて、今回1位のニュースは、低金利を売りに展開していたネット銀行が基準金利を改定することで一気に注目を集めたものと思われます。
次に注目したいのが、7位の「工事費高騰で札幌駅前再開発の完成時期を延期へ JR北海道(2025/3/24配信)」になります。土地の高騰、資材価格の高騰、高水準の賃上げ、というトリプル高に見舞われていることで、全国の主要都市で進められている再開発事業は、当初の見込みよりも大幅なコストアップとなっています。野村不動産が手掛けていた「中野サンプラザ」の再開発が頓挫し、白紙に戻ったことは周知のことだと思いますが、そうした採算が取れない事例が全国で相次いでいます。計画の見直し、計画の縮小、計画取り止め、といったことが今後続く可能性が高いです。
特に問題なのが人手不足です。工事現場の職人の奪い合いが激しく、より良い賃金の現場に工事従事者が流れやすくなっています。加えて、働き方改革により工事現場で土・日を休日にすることで工事期間も長期化しています。不動産会社からは、現場の休日の取り方について、「ローテーションを組んで土・日も動いてもらいたい」など工夫をしてもらいたいとの声も漏れてきます。一方で、建設現場からは「ローテーションを組めるほどの人数が確保できない」との声もあります。不動産開発事業者にとって金利先高観と相まって悩ましい事業環境が続きそうです。
最後に取り上げるのが、10位の「リストインターナショナルリアルティ 高級不動産仲介が好調 取扱高1000億円、5年で6倍に(2025/3/25号)」になります。今年の公示地価は、全国的にインバウンド需要の強い地域を中心に地価が上昇していることが浮き彫りとなりました。都内のマンションや全国の別荘などが億円単位で売買されています。同社よれば、同社の顧客は日本に限らず、ハワイやアジア、ドバイなど世界で物件を物色しているようです。国内外の富裕層マネーが集まるエリアに「ビジネスチャンスあり」として不動産各社は、高額帯の不動産に注力する傾向が強まっています。この傾向は今後も続くと思われます。