国の「性能表示制度」も改ざん見抜けず、耐震基準適合との評価書交付
国が消費者に建築物の性能に対する安心を与えるための「住宅性能表示制度」も、姉歯元建築士による構造計算書の偽装を見破れなかったことが12月7日、国土交通省の調べで明らかとなった。耐震強度の偽装問題は、建築確認制度だけでなく、「住宅性能表示制度」の信頼性まで揺るがす事態に発展した。
同省によると、姉歯元建築士の改ざんが指摘されている横浜市のマンション(50戸)に対し、建築基準法レベルの耐震性が満たされているとする「設計住宅性能評価書」が、建築主に交付されていた。
住宅性能表示は、住宅の品質確保促進法に基づき、新築住宅の耐震性、耐火性など9分野28項目について等級を付けて評価する制度で、設計住宅性評価は、マンションだけでも全国で月平均9000戸近い利用がある。
国土交通省は、「今まで改ざんが指摘されてきた物件については、性能評価を受けていないか報告を求めてきたが、1つも報告されていなかった」としている。
交付した住宅性能評価機関は、国指定のビューローベリタスジャパン(株)(横浜市中区)で、7月5日に評価書が交付されており、建築確認も、6月16日に同社が指定確認検査機関として下ろしていた。このマンションの施工者は木村建設(株)東京支店。1階の配筋工事段階で工事は中断され、建築確認も取り止めとなっている。
<<< 耐震強度偽装問題 1週間の動き >>>
◎12月5日(月)
国交省、姉歯元建築士を建築基準法違反で警視庁に刑事告発。マンション3件、ホテル1件が告発対象。
◎12月6日(火)
関係閣僚会議で政府の総合施策を決定、80億円の公的支援策を発表。
◎12月7日(水)
衆議院国土交通委員会、日本ERI鈴木社長、イーホームズ藤田社長、アトラス設計渡辺社長の3人を招致、姉歯元建築士と「総合経営研究所」の内河健所長は欠席。
国交省、ヒューザーに、売主としての誠実な対応を文書で指導。
ビューローベリタス社、「設計住宅性能評価書」を偽装物件に交付した事実が判明。
◎12月8日(木)
姉歯1級建築士の建築士資格取り消し。
藤沢市内の問題物件、「震度5弱で倒壊の恐れ」と同市発表、竣工物件で最低の0.16倍の耐震性。
◎12月9日(金)
国交省、姉歯元建築士関与の物件は208物件、うち、改ざんあり63件、改ざんなし96件と発表(前日20時時点)。



