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不動産証券化の成否は、個人投資家への普及がカギ シンジ協シンポ

 不動産の投資商品化を推進している不動産シンジケーション協議会(東京都港区、理事長:岩沙弘道三井不動産社長)は、設立10年の記念シンポジウム「日本の不動産証券化-その経緯と21世紀の展望-」を9日に開催した。基調講演は高岡短期大学蝋山(ろうやま)昌一学長が「日本金融の変革:不動産証券化の果たす役割」と題して行い、その後パネルディスカッションが経済ジャーナリスト財部誠一氏、住友信託銀行渡辺郁二専務、メルリンチ証券橋本嘉寛ディレクター、高岡短期大学蝋山昌一学長、同協会岩沙弘道理事長にて行われた。
 講演では、不動産の証券化は不動産業の金融サービス化への第一歩であり、投資商品マーケットへの不動産業の参入は、投資市場とともに不動産業界自身へも強いインパクトになる、と金融業界とともに不動産業界への新しい風としての期待を表明。一方で、1,300兆円に及ぶ個人資産は証券会社などを通じて投資市場に流入することが中心になると考えられ、直接金融ながらもいわば「市場型間接金融」のマーケットの拡大を促進させるなどのような、金融の明確なビジョンの形成が必要である、とした。
 パネルディスカッションでは、不動産投資信託の解禁までの経緯と今後の証券化市場の見通しについて議論された。今次国会で審議されている各法案が成立すると不動産投資信託が解禁されることになるが、これまでの証券化により、不良担保資産を中心としたいわば死んだ不動産の流動化から生きた不動産の流動化へ、キャピタルゲインを狙った不動産投資からインカムゲインに着目した投資へ、オリジネーターの事情による商品組成から投資家サイドの意向に沿った商品作りへ、と土壌の変化を実現したことを一様に評価した。不動産と金融の融合により、不動産業界にとっては、アレンジャー、デューディリジェンス、アセットマネージメント、プロパティマネージメントなど様々な新業務ができ、数年後にはマーケットは1兆円規模になるのではないか、という期待が大きい。しかし期待が先走りしている面があるのではないかという指摘とともに、市場の普及のためには、現在の機関投資家への販売から、将来の個人投資家への販売を視野に入れて、マーケットの整備を図ることが必要という意見に注目が集まった。流動対象資産の特性に応じた商品組成、良質な商品組成のための良質な資産の流動化の促進、地価・金利動向への対応、不動産投資インデックス、セカンダリーマーケットの整備など多くの課題に対する各パネリストの意見は、投資家、アナリスト、学界、不動産業界に関わらず共通の問題意識であることを裏付けた。最後に披露された、不動産証券化の最終目的は国民の健全資産の形成であり、このベクトルに沿った業務をなしえた企業が証券化の成功者になるのではないか、という意見は、活発化が見込まれる証券化市場の道標として、今後の市場発展のメルクマールとなるのではないだろうか。

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