不動産取引、25年下期も約3.4兆円と高水準維持 主要5アセットで8割超 日本不動産研究所調査

日本不動産研究所は「不動産取引市場調査(2025年下期)」をまとめた。25年下期の不動産取引市場規模は約3.4兆円となり、前年同期並みの高水準を維持した。24年上期の約3.9兆円、25年上期の4.1兆円に続き、国内不動産投資市場の底堅さが改めて示された。
同調査では、2001年上期から25年下期までの約4万件の取引事例をもとに市場動向を分析。市場規模は07年上期に約3.1兆円まで拡大した後、リーマン・ショックが起きた08年下期には約1兆円まで縮小した。その後は13年上期の金融緩和政策開始を契機に回復し、おおむね2兆円超の水準が続いてきた。
アセット別では、25年上期にデータセンター関連の大型投資で「その他」の構成比が高まった一方、25年下期はオフィス、レジデンス、商業、物流、ホテルの主要5アセットの売買が活発化し、全体の8割超を占めた。市場の中心が再び主要用途に戻った格好だ。
取引主体別にみると、近年は私募REITの存在感が一段と強まっている。21年まではJ-REITが一貫して買い越しを維持していたが、24年以降は私募REITの買い越し額がJ-REITを大きく上回る状況が続く。SPC・AM(私募ファンドなど)も再び買い越しに転じ、一般事業法人は売り買いがほぼ拮抗している。研究所は、25年に入っても各プレーヤーの投資意欲は旺盛で、「群雄割拠状態」が続いているとみる。
外資系プレーヤーも再び市場をけん引している。取得額は07年上期に約9100億円に達した後、リーマン・ショック後に急減したが、金融緩和以降は再び活発化。コロナ禍以降も存在感を示し、22年上期には約1兆円まで膨らんだ。その後は金利上昇への警戒感や海外不動産市場の悪化を背景に減速し、23年下期と24年上期は2期連続の売り越しとなったが、海外金利上昇の一服を受けて大型取引が相次ぎ、24年下期から25年上期にかけて大幅な買い越しに転換。25年下期も売却案件は増えたものの、3期連続で買い越しを維持した。
足元の国内不動産投資市場は、主要アセットへの資金回帰に加え、私募REITや外資の積極姿勢が下支えしている。金利や海外市場の変動といった不透明要因は残るものの、25年下期時点では取引市場の厚みと投資マネーの広がりが確認できる内容となった。















