幸福論的 『住宅論』 住宅評論家 本多 信博 99/100 戦わずして勝つ 〝共感〟の時代
住宅新報 2020年7月7日 号 11面
連載: 幸福論的「住宅論」

戦わずして勝つことができる戦略を持てば、事業コストを抑えることができ、その分価格を下げることができる。新たな成長産業を見つけることよりも、既存のビジネスのあり方を見直すほうが現実的である
戦略とは戦いを省く、つまり戦わずして勝つ方法のことである。戦わずして勝つ(成功する)ことができれば多くのコストを掛けることもなく、リスクも避けることができる。では、戦わずして勝つために必要なものはなんだろうか。
商品開発に例えれば、顧客の圧倒的共感を得る商品をつくることである。最初はそれほど多くの人の共感を得ようとしなくてもいい。いや、それでは従来の「マーケットイン」方式と変わらなくなってしまう。ほんの一握りの、ただし熱狂的ファンをつくり出せばいい。
その商品に熱狂する人たちを生み出すことさえできれば、その後は広告も営業も不要だ。なぜなら、感動を共有したい顧客の口コミ(SNS)を通じて商品は自然に広まっていくからだ。しかも、〝共感〟という精神文化の領域では、先行した会社が他社の追随意欲を喪失させることができる。









