竹井英久の 思案あれこれ (11) 対面営業とネット手続き
住宅新報 2022年6月21日 号 7面

売買契約でもIT重説が本格運用になり、不動産業のデジタル化の第一歩が踏み出された。最終的に目指すところは、ネット完結取引なのだろうか。遠隔地居住者の不動産取引、投資用不動産取引、賃貸契約などはネット完結に向いているが、居住用住宅の取得に関しては不動産初心者も多く、宅建士による対面説明と現地確認は重要な顧客サービスであることに変わりはない。物件と顧客の特性に応じて使い分け、リスク管理をしていくことになりそうだ。むしろ宅建士の対面営業以外の手続きの合理化にもっとネットを活用して取り組みたい。
日本型のシステムを
一度でも中古住宅取引をした消費者は、どうして売主・買主が同席して契約したり、銀行手続きの無駄な時間を過ごすだけの残金に立ち会わねばならないのか疑問に思う。担当の宅建士を通した条件のツメが終われば、相手方と非対面で契約押印・必要書類・資金の準備をするが、あとはネット上での確認入力だけで、ネット送金・登記手続き等をセットにして任せられたら、どんなに楽かというのが本音だろう。これを実現するには、いわゆるエスクローの導入が必要になるが、IT技術を活用した日本型のシステムを開発して利便性の飛躍的向上を図れるのではないか。売主・買主の取引に立ち会うのが仲介業者という現金取引時代の手続きをネット時代に合わせ、なおかつ情報書面化の徹底を図ることは重要だ。


























