不動産経済かわら版 (11) 追加利上げ後のオフィス需要と金融環境 ボルテックス 主席研究員 安田 憲治
住宅新報 2025年2月18日 号 4面

2025年1月24日、日本銀行が政策金利を0.25%から0.5%へ引き上げた。既に「利上げが近い」とたびたび言及されていたため、市場の反応は限定的だった。2024年12月の生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率は3.0%に達し、企業の賃上げ意向が進むなか、円安を抑える狙いで段階的に利上げを実施したとみられる。輸入コスト増大が進むと、為替介入の必要性が高まる恐れがあり、小刻みな引き上げが安全策と判断された形だ。
金利が上昇すれば住宅ローンや企業の借入負担は増すが、変動型ローンには返済額が急上昇しにくい仕組みが多い。実質金利がなお低いため、企業活動を一気に冷え込ませる段階ではないとの見方も根強い。さらに賃金アップが幅広く行われ、消費が底堅く推移しやすいという要素もある。
地方の商業施設や老朽建物は、人口減少リスクも相まって投資判断が厳しくなるとの指摘がある。ただし評価は地域や物件特性によって多岐にわたり、一様に悲観できないという声も多い。一方、都心のオフィス需要は堅調を保つとみられる。交通アクセスや周辺環境が整った物件は安定稼働し、賃上げで底上げされた企業の収益力で金利上昇分を吸収できる可能性があるとする見方は多い。情報通信や専門サービスなど成長セクターの都心回帰や大規模再開発の進行も重なり、好アクセスのビルは引き合いが底堅い。


















