東日本大震災・衝撃連載(3) 住宅ジャーナリスト・細野透 浸水地帯では「木造自粛」も 津波で判明した強者と弱者
住宅新報 2011年5月31日 号 14面
今考えると「虫の知らせ」ということになるのだが、2010年7月、日本建築学会が奇妙な声明を発表した。そのタイトルは、「『木造禁止』を含む建築学会の『建築防災に関する決議(1959年)』について」。今回の大津波により、各地で木造家屋がもろくも倒壊・流失し、一帯が瓦礫と化したため、この「木造禁止の歴史」が再び繰り返される可能性がある。伊勢湾台風後の「木造禁止」決議
59年9月。昭和の3大台風の1つと呼ばれる伊勢湾台風により、紀伊半島から東海地方にかけて、死者・行方不明者約5000人、家屋の全半壊約15万4000棟もの大被害が発生した。
同年10月。建築学会は「建築防災に関する」決議を行い、「防災地域の指定」「防火、耐風水害のための木造禁止」など4項目を提唱した。その本意は、「木造建築の防災性能向上」にあったとしても、建築学会による「木造禁止決議」という事実はズシリと重い。結果として、木造建築の技術開発が遅れてしまったことは否めない。そういえば、筆者も学生時代に、木造建築に関して詳しい講義を受けた記憶は残っていない。











