震災後の東京・オフィス市場 需要は『事業継続』重視に 様子見の投資家も一定の評価
住宅新報 2011年6月21日 号 1面
年明けまでは回復の気運が見えた東京のオフィスビル市場。東日本大震災と長期化する原発問題の影響は大きく、空室率は高止まりしたままで、オフィス賃料の底打ちも遅れるとの見方も強まり、停滞感が漂う。こうした中、オフィステナントの間で、オフィスの選定基準に新たな変化が出てきてきた。一方のオフィスなどを主な投資対象とする不動産投資家は、震災復興や原発問題の解決にメドがつくまでの間は「様子見」の姿勢が濃厚だ。不動産市場の本格回復に至る道のりは険しいが、不動産投資市場の正常化と、それを担うオフィスビルなどの収益回復は市場回復の大前提。複数の機関による調査結果などを基に、震災後の東京におけるオフィスビルの需要の変化や不動産投資家の投資姿勢などを整理した。
昨年後半から、東京都心部のオフィスビルの平均空室率は長らく続いた上昇から低下に転じた。その後、小幅な低下と上昇を繰り返しながらも、回復へと向かい始めるかに見えた。しかしながら、年明け後も9%前後で空室率は高止まりしたままで、足踏み状態が続いた。
背景には、依然として統合や集約といった企業のコスト削減を目的とするオフィスの移転需要が中心で、オフィス拡張や増床、新規需要などが限定的だったことが挙げられる。需要が高いはずの新築においても、空室を残したまま新規稼働するビルも少なくはなく、テナント需要の弱さが見て取れる。











