アナザーアングル 住宅業界ニュースの行間を読む(50) 不況は事業見直しの好機 今こそストックビジネス育成を
住宅新報 2009年3月24日 号 3面
3月14日に行われた特定非営利活動法人日本インスペクターズ協会の設立記念シンポジウムに参加した。同協会理事長でさくら事務所社長の長嶋修氏、さらにはホームインスペクターの大久保新氏が講演されていた。
大久保氏は「中古住宅(戸建て)購入のチェックポイント」について講演。具体的には、インスペクターによりどんなことが分かるのかということだった。例えば、街中を歩いていると、外壁にクラック(ヒビ)が入った住宅をよく見かける。また、建て付けが悪くなって、ふすまや障子の開け閉めができなくなり、「傾いているのではないか」と疑ってしまう住宅も多い。こんな建物ではいくら安くても中古で購入しようとは思わないものだ。しかしよく調べてみると、躯体には大きな問題がなく、なかには「掘り出し物」があるとのこと。外壁のクラックも、中の躯体に水が漏れだしていないことが確認されればまずは安心という。
「中古」という言葉はあまり使いたくないので、ここではストックと表記する。ストック住宅市場がわが国において盛んでないのは仕組が未整備だからといわれている。個人的には、そもそも流通に値するストック住宅がわが国には少ないからと思っていた。しかし今回、善し悪しの判断基準や、どの程度の修繕が必要なのかという点が不明瞭だから、というもっと根本的な問題があることを認識させられた。そして、流通の活性化にはインスペクターの養成やその活動の幅広い認知の必要性を痛感させられた。インスペクターのチェックを経ると、わが国にも流通に資するストック住宅があるのだというのが、はなはだ不勉強だが率直な感想だった。










