大言小語 家づくりは自分づくりの『補助線』となる
住宅新報 2009年11月24日 号 1面
人間は自分で思っているほど自分のことが分かっているわけではないらしい。潜在意識というやつだ。夢に現れるのはそのほんの一端でその下に潜んでいる膨大な意識が自分の正体だという。ということは夢とその奥にこそ『現実』があり、単純な反作用を繰り返しているだけの現実世界が『夢・幻』ではないのか。
▼そんなことを考えているとき、個人住宅に建築家を起用する会社を10年ほど前に立ち上げた起業家をインタビューした。注文住宅よりも実物を見て買う傾向が若い世代に強まる中、家づくりにこだわる意義を熱く語る。「人は建築家と相談しつつ、ゼロから家の間取りやデザインを考える中で、自分を見つめなおし、妻のことを考え、子どもの気持ちを思いやる。そこから得るものは、ハードとしての家以上に大切な宝になる」
▼自分の正体を深く知るためには漫然と生きていてもだめで、時に物理的な何かに挑戦することが必要なのだ。幾何の問題を解くときの『補助線』の役割にも似ている。家づくりは一生に何度も経験できない。それだけに貴重な線となる。











