「寄稿」 心豊かな社会へ 不動産中央情報センター(北九州市)社長 濱村美和
住宅新報 2010年3月9日 号 5面
住宅困窮者の増加や消費者保護の流れが加速する中で、家主と入居者のどちらが強者で弱者かと定義する議論はあまり現実的ではない。社会的支援は、民間賃貸住宅の家主だけに求めるのではなく、例えば、困窮者を救済するために、行政が管理運営する住宅を増やすなど、社会全体で協力して行うべきではないか。
地方都市では、相続のためにやむを得ず賃貸経営を始める人や、将来の年金を不安に思い、退職金や貯蓄をやりくりしてわずかな元手でアパートやマンションを建てるケースなど様々な家主がいる。いずれの場合も長期の借入金があり、余剰資金で賃貸経営する人はごくわずか。供給過剰から空室が増加し、借入金の支払いに苦慮し、経済的に困っている家主が多く出てきているのが現状だ。
最も懸念していることは、家主が将来的に賃貸経営の意欲を失うことだ。地方の商店街では事業承継者がいないため、廃業する例が増えていると聞く。











