「ガイドライン策定から1年」 賃貸住宅の対応力 心理的瑕疵 木造で重く 告知期間3年は消費者とギャップ
住宅新報 2022年11月8日 号 6面
賃貸住宅の安定経営を脅かす心理的瑕疵への対処方法として、昨年10月に国土交通省から「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が発表されて1年が経過した。孤独死や自殺・他殺などが発生した物件、いわゆる事故物件を取り巻く環境が徐々に変わりつつあるようだ。〝負動産〟を流通させる「成仏不動産事業」を展開するマークス不動産(旧MARKS、東京都中央区)が今夏に実施した事故物件に関する意識調査によると、事故物件に住める人は49.9%と半数を占めている。住むことが可能な事故物件については「孤独死物件」(69.2%)が最も多く、突然死や病死に対する抵抗感が和らいでいる。
とはいえ、賃貸住宅を借りる際に事故発生から3年を超えた物件は不動産事業者から告知されない可能性があることについて「知らない」が80.5%に達する。同調査では、事故内容について何年告知してほしいかも聞いているが、「10年」(31.4%)が最も多く、次いで「31年以上」(30.6%)だった。ガイドライン策定で業界団体は、「3年という一つの区切りができ、仕事がしやすくなった」と歓迎する声が多いが、一般消費者とのギャップは大きい。
木造アパートを都内で経営する大家は、「早期発見が事態を深刻化させない最善策だ。私の場合は、病気による孤独死だったが、夏場で発見が遅れたため腐敗が進んで大きな損失を受けたことがある」と話す。後処理として特殊清掃に入ってもらったが、木造であったため体液などが染み付いて異臭が取れない。イオン脱臭や光触媒などを使っても、においの根治が難しいばかりか、鉄筋コンクリートとは違うので下の階の天井にまで体液が染み出す。特殊清掃でも原状回復は難しい。鉄筋コンクリートは表面を削り、その上にモルタルを塗るなどで対応できるが、木造を削ることはできずにお手上げ状態。下の階と両隣の住人はすぐに退去してしまい、最終的に建て直したという。





















