紙上ブログ 不動産屋の独り言721 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 飛び込み客の第一印象にご用心 同業者の警告で危機免れて
住宅新報 2023年9月26日 号 6面

飛び込みの部屋探しで70歳近い女性が来店した。人当たりが柔らかく、第一印象は悪くない。生活保護も受けているので家賃を取り逃すこともなさそうだし、協力してもいいかなと思い、条件を聞いていくと結構厳しい。当社の入居者募集物件に該当する部屋はなく、高齢者や生活保護受給者の部屋探しでも快く協力してくれる同業者2社にも問い合わせて協力を仰いだ。いくつか物件を出してもらうべく条件等を伝えたら、半日ほどして、その2社から電話があったのだが、どちらも驚くような内容だった。
業界では〝有名人〟
「さっき希望条件を聞いて気になったのですが、そのお客さん、もしかしてTさんという方ですか」と言う。Tさんといっても、よくある名字ではない。珍しい名前なので別人ということはなさそうである。「Tさんだったらお部屋は紹介できません。実は、生活保護を受けて家賃も役所から支給されているのに、長期間家賃を滞納しています。弁護士に依頼して立ち退きを求めて訴訟を起こしましたが、部屋の中はボロボロにされているし、訴訟や強制執行費用など、なんだかんだで家主の損害は1000万円近くになります。しかも、自分が悪いのに、ネットに誹謗中傷とも言える評価を書かれて当社も大変な損害を被っています。おたくも関わらないほうがいいですよ。とにかく、うちは部屋を紹介することなどできません」とのこと。





















