大言小語 現代の『大工調べ』
住宅新報 2010年4月20日 号 1面
「やい、大家。お前がこの長屋に流れ着いたとき、誰が面倒を見たんだ。その恩を忘れやがって」。落語の『大工調べ』。道具箱を家賃のカタに取り上げられた弟弟子に代わって、大工の棟梁・政五郎が頭を下げに行くが、意固地な大家に『キレて』しまい、啖呵(たんか)を切る。聴衆がやんやの喝采を浴びせる一番の聞かせ所だ。
▼ところが、今聴き直すと違和感が残る。老いた母を抱える身は分かるが、家賃の滞納を繰り返す賃借人に対し、つたない対抗手段を取る大家を責められるだろうか。また棟梁も、弟弟子に過失があるのに「私の顔が立たねえんで」とか「若い者に示しがつかねえ」など勝手な論理を言い、触れられたくない過去まで持ち出すとは、『大工は流々』とは言えまい。
▼古くて新しい家賃をめぐる争い、折しも、家賃債務保証業の実質免許制、追い出し行為を規制する法案が参議院で審議入りした。賃貸住宅管理業の任意の登録制度についてパブコメも始まり、賃貸住宅管理業が今、変わろうとしている。











