紙上ブログ 不動産屋の独り言 802 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 家賃滞納で相談受けて 過去の行いが信用になる
住宅新報 2025年5月20日 号 6面

多摩郊外の管理物件に住む家族は、コロナ禍以降、自営業であるご主人の仕事が減ってしまい、家賃の支払いが困難になった。人数の関係で狭い物件に移ることはできない。引っ越すにしても初期費用が掛かる。家賃は家主に直に振り込むことになっているが、私に電話してきた。「来月の家賃が支払えそうにありません。来月の末から家賃の1.5カ月分ずつ振り込む、ということでご了解して頂けないか家主さんに聞いてもらえないでしょうか」とのこと。以前の記事で書いた「事前に連絡をくれた数少ない人」の一人だ。家主に電話して私から事情を話してお願いすると、「最近、お仕事大丈夫なのかなと心配していたんです。仕事の車が家にある事も多いようだし。結構ですよ」とのことで、本人に伝えると安堵していた。
再び相談も
翌月から1.5カ月分ずつ振り込む約束はきちんと守ってくれて2カ月で追いつかせることができたが、半年ほどして再び相談の電話があった。今度は、来月末から毎月の家賃に3万円を上乗せして振り込むとのことで、以前より苦しいようだ。家主に電話すると、「以前も約束通り追いつかせてくれたから信用して大丈夫でしょう。でも、無理しないよう伝えてください」とのこと。この家主は本来は約定に厳しい人だ。一昨年に亡くなられたお父さんは、折に触れ「お母さんが亡くなってあなたも大変だろうから来月の家賃は払わなくていいよ」などと、頼まれてもいないのに免除や半額にしてしまうなど、落差が激しくて、私も付き合い方に戸惑うことが多かった。




















