紙上ブログ 不動産屋の独り言 824 賃貸現場の喜怒哀楽 高齢男性の部屋探し 案の定、厳しい条件示されて
住宅新報 2025年10月28日 号 6面

70代半ばの男性が来店してきた。「よかった。四度目でやっと会えたよ」と言う。過去三度の来店時はいずれも私が不在にしていた。「なんかね、お店のウインドーに貼ってある内容を読んで、この店に頼もうと思っていた」とのこと。それはうれしい言葉である半面、厳しい条件での部屋探しになることを暗示している。話を聞くと、やっぱりかと思わせるに十分な条件。現在は生活保護を受け、家賃3万円の古い貸し家に入居していて、老猫もいる。そして、家主から老朽化を理由に明け渡しを求められているという。一人暮らしだが、貸し家住まいのため荷物は多い。家賃の上限は5万3700円。昨今は多摩地域も賃貸物件の家賃は値上がり傾向にあるのだが。
ゆっくり慎重に
普段から仲良くしている「困難な部屋探しを専門に扱う業者」に相談したが、現状では該当する物件はない。特に急がない、ということなのでゆっくり探すことにした。本人にとっても飼い猫にとっても終のすみかになるだろうから、慎重に探してあげようと思った。協力を依頼した業者には、「決まっても当社の手数料はいらないから何とか探して」と伝えている。手間が掛かる部屋探しで、首尾よく部屋が見つかって契約に至ってもわずかな手数料にしかならない。そこに当社も絡もうとは思わない。ただ、なかなか条件に合う物件が見つからず、日にちだけが過ぎていく。途中で「まだ出ないですかね」との問い合わせを頂いたりして申し訳ない思い。1カ月ほど経過して、当社の管理物件で条件に合いそうな部屋が空くことになった。




















