紙上ブログ 不動産屋の独り言 828 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 募集賃料に入居者が反応 今の時代、これは気を付けたい
住宅新報 2025年11月25日 号 6面

風呂なしの古いワンルームを借りている中年男性Kさんが店にやってきた。「ちょっと相談がある」と言う。「何でしょう」と聞くと、「うちのアパートの入居者募集中の部屋で、家賃2万5000円で広告が出ているよね。私の部屋は家賃3万円。同じ間取りなんだし、私の部屋の家賃を下げてもらえないかな」との要求。すぐに次の入居者が決まっていればそういう話は出なかったと思うが、長く空いているから「もしかして家賃を下げているかも。だったら自分の部屋も合わせて下げてくれてもいいだろう」と思ったんだろう。だがKさん、たった3万円の家賃でさえ滞納している。協力してあげよう、家主に相談しよう、などと私は思えない。
条件差を説明
「でもKさんの部屋は2階の角部屋で、2面採光で日当たりも風通しもいいんです。募集中の部屋は壁もキレイではないし前面の建物に遮られて日当たりが良くないですよ。それと比べたら5000円の賃料差も納得できるのではありませんか。うちに問い合わせが入ると、『住居には向いてませんから、物置代わりとか連絡先事務所としてなら安くていいかも知れません』と伝えています。もし納得いかなければ今の部屋から募集中の部屋に移ればいいと思います。Kさんだから仲介料は頂きません。今の部屋のハウスクリーニングの費用だけ負担してくれればOKです」と伝えたら、「ああ、そういうことね」と言って不満そうな顔で店を出て行った。




















