紙上ブログ 不動産屋の独り言 850 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 「賃貸住宅管理業ではよくある話」前編 カギ問題、どこまで対応すべきか
住宅新報 2026年5月12日 号 6面

数年に一度、入居者から営業時間外に「鍵を失くしてしまって部屋に入れないから鍵を貸してほしい」という電話が入る。多くは夜9時過ぎで、既にお風呂にも入って、後は寝るだけというタイミング。「店まで借りに伺います」ならまだいいほうで、中には「アパートの前で待っているから届けてくれ」もある。そうはいっても、自宅で保管している訳ではないから店まで取りに行かなければならない。「管理会社なんだから、入居者が困っているなら当然に助けてくれるもの」と勝手に決めつけているようだ。
営業時間内なら
先日も夜9時に携帯が鳴った。発信者の名前を見るとわが家から徒歩10分のアパートに住む高齢女性。何か緊急トラブルかと思って出ると、隣の部屋に最近入居した外国人男性の声。「入居してからドアにオートロックを付けたんですが、スマホも鍵も室内にあって、お隣の方のスマホを借りて電話しています。部屋に入れないので鍵を届けてくれませんか」と言う。オートロックって何のことかと不思議に思っていたら、どうやらホテルの部屋みたいにドアを閉めると自動で施錠される装置を取り付けたらしい。閉め出されてしまい慌てて電話してきたようだ。だが、既に普段の私なら就寝している時間。パジャマに着替え、膝の上の猫と一緒にウトウトしていた。そろそろ布団に入ろうかなという時間だ。その男性の人柄は悪くない。営業時間内なら対応して差し上げられるが、それは自己責任だろう。




















