都市防災の担い手は誰か(下) 共助の支え手を育む 制度と現場つなぐ役割
住宅新報 2026年7月7日 号 6面
「マンションに耐震性があれば、まずは在宅避難をお願いしたい」。東京都住宅政策本部の担当者はこう話す。都はマンション防災制度「東京とどまるマンション」を推進し、今年度は住民の安否確認方法の構築を登録要件に加えるなど制度を見直した。防災訓練や安否確認などソフト面の取り組みに加え、防災備蓄資器材や非常用電源などハード面の整備も重視する。2026年3月時点の登録は951件、約13万戸。補助制度も拡充し「制度としては整ってきた」と説明する。一方、登録物件の大半は分譲マンションだ。賃貸は入居者の入れ替わりが早く管理組合もない。都は「賃貸オーナーが鍵を握る」とみるが、直接情報を届ける手段は限られ、区市が現場を担う役割分担もある。
また都は防災アドバイザー無料派遣事業も実施している。オーナーや管理会社へ専門家を派遣し、物件特性などを踏まえ助言するほか、カード式防災マニュアルも作成・提供する。利用した賃貸オーナーからは「気づきになった」との声が聞かれる一方、「学んだ内容をどう居住者へ広げるかが次の課題」との声も寄せられているという。
制度は整った。しかし、その制度を居住者や地域へ届け、具体的な行動へつなげる仕組みは、なお模索が続く。都は賃貸オーナーや管理会社に役割を期待するが、その期待を現場でどう実装するかは民間側に委ねられている。





















