「風が吹けば桶屋が儲かる」その2 松岡英雄 新住まいのことわざ(58)
住宅新報 2011年3月22日 号 24面
前回に続いて、ことわざから浮かんでくるもうひとつの話。
山口瞳に「居酒屋兆治」という作品がある。高倉健の主演で映画にもなったからご記憶にあるかもしれない。兆治は脱サラして居酒屋をやっている。社員の首を切るために総務課長に抜擢されたが、そんなことはできないと退職した男である。
その居酒屋に地元のタクシー会社の運転手たちが集まってくる。ある運転手の妻が7月の給料日の夕方、気持ちが悪い、暑い、というので、早番で帰っていた運転手は布団を敷いて休ませる。扇風機を直接風が当たらないように天井に向けて回してやる。そのうち、頭が痛いというので、救急車を呼ぶが、間に合わず心筋梗塞で死んでしまう。











