コートハウスは元々気候が厳しく、外敵との戦いが多かったイスラム圏や中近東の居住様式として発達してきました。平面的には「ロの字」や「L字型」を基本にしています。イスラム圏のコートハウスは通路側に高い壁を立て、その内側に中庭と居室を配置します。外に面した家の窓は極力小さくするので、外観はそそり立つ壁のようで閉鎖的ですが、外敵から家を守る意味では有効な方法でした。
70年代には日本の建築家の関心が向いて、多くの日本式コートハウスが造られました。その論理的な背景は坂倉準三事務所の大番頭であった建築家・西澤文隆による「西澤文隆小論集1コートハウス論」です。西澤は「正面のない家」シリーズなどコートハウスを数多く設計し、その中で庭と居住空間の一体的な関係について多くの手法を提示しました。具体的には、「庭の機能性」「インテリアと庭の連続性」「プライバシーの確保」の3点に主眼を置いて設計するということです。
「庭の機能性」については、単なる庭ではなくパティオやカフェ風のテラスのように、庭に機能を与えることでインテリアとの連続性が高まるという考え方です。
























