紙上ブログ 不動産屋の独り言 559 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 妻から受けた意外な相談 思いやる心が通じ合う
住宅新報 2020年6月30日 号 6面
いい年をして惚けてとの批判もあろうかとは思うが、どうしても書きたくなった。日本中で新型コロナウイルスの感染者が増え始め、緊急事態宣言による外出自粛要請が出されていた4月半ば。妻が私に「相談があるんだけど」と言う。知り合って23年、籍を入れて16年、今までに一度もそんなことを言われたことがない。もしかして稼ぎの悪い私に愛想を尽かして「家を出る」なんて言うんじゃないんだろうかと身構えていると、こう切り出した。
店子の家賃免除
「Mさんの来月の家賃、免除してあげようと思うんだけど」と言う。Mさんというのは、うちが唯一大家になっている部屋に入っている男性で、付き合いは古く、我々の婚姻届の証人になってもらったりしている。私や長男らが行っている理容院のお兄さんである。それまでのオーナーが事実上引退して3月から店を引き継いだばかり。そこにこのコロナ騒動である。理容院は休業自粛要請の業種からは外れたが、客は1日に2人しか来ないなんていう日もあるらしい。























