以前「知っておきたい椅子三脚」(265回)をお届けしましたが、今回は住宅購入者に人気の高い椅子を三脚選んでみました。
まずはThonet(トーネット社)のS64です。トーネットはブナ材を使った曲木の椅子で世界を席巻したメーカーです。1930年から生産されたこのシリーズはアームレストのないS32とアームレストを備えたS64に分かれます。ラタン(藤)編みの面をステイン塗装が施された木のフレームが補強しています。オリジナルはマルセル・ブロイヤーが1928年にデザインし、「チェスカチェア」の愛称を持ちます。ちなみに「チェスカ」はブロイヤーの愛娘の名前です。
当時、バウハウスを離れ、ベルリンに住んでいたブロイヤーはルト・スタム、ミース・ファン・デル・ローエなどと共にパイプ構造の椅子開発を行っていました。自動車産業や機械産業が一気に拡大していく時代で、パイプを曲げる技術も進化し、曲げても直径が変化することなく、曲部にシワの発生もないパイプが量産できるようになり、これが椅子に応用されました。
























