紙上ブログ不動産屋の独り言604 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 騒音クレームへの対応 認知症で退去、一抹の寂しさ
住宅新報 2021年5月25日 号 6面
うちの店の近くに連棟式の平屋の貸家がある。間取りは1Kで、家賃も高くないから2部屋とも生活保護の高齢者(男性と女性)が一人暮らしをしている。男性は、入居したときは自転車で出掛けたりして元気だったが、10年も経った今では歩行補助機につかまってやっと歩けるほどに衰えた。私を見かけるとあいさつしてくれるのはよいのだが、大声で意味不明のクレームを言い立てる。何を言っているのか聞き取れない。だから私は背中に大声の文句を浴びせられながら、あいさつだけしてなるべく遠くに離れるようにしている。隣の部屋の老婦人は私が30年以上前から知っている人。うちの店の向かいのお好み焼き屋で働いていて、その店は20年ほど前になくなってしまったが交流は残っていた。
夜中に壁を蹴る音
その老婦人が数年前に、「今入っている部屋の2階に外国人が入居したんだけど、何人も住んでいて夜遅くまで話し声がうるさいのよ。もう我慢できないから引っ越そうと思うの。どこかいい部屋ない?」と相談を受けていて、たまたま現在の部屋が空いたので入ってもらったのだか、しばらくして「ねえ、隣のじいさん、なんなの? 夜11時ごろから朝8時くらいまで、30分おきにドカンドカンと音を立てて、壁を蹴るような音がするんだけど、今後聞きに来てくれない?」と相談を受けた。友人が泊まりに来た際も、ビックリして飛び起きたほど、とのこと。























