「所有者不明土地問題 ――土地家屋調査士の関与について」(3) 日本土地家屋調査士会連合会前常任理事 内野篤 民法改正への関与(下) 財産管理制度と相隣関係規定
住宅新報 2021年8月31日 号 6面
民法の改正は、土地利用の円滑化を図る観点から、財産管理制度の見直し、共有制度の見直し、相続制度の見直し、相隣関係規定の見直しがされました。どれも不動産に携わる者には、重要な改正ですが、財産管理制度と相隣関係規定について触れたいと思います。
財産管理制度の見直しでは、新しい管理制度として、所有者不明土地(建物)管理制度及び管理不全土地(建物)管理制度が創設されました。従来の財産管制度は、人単位でその財産全般を管理することに対して、個々の土地又は建物に特化した管理制度です。
これらの管理制度のうち、土地家屋調査士との関わりでは、特に所有者不明土地管理制度が注目されます。裁判所は、所有者不明土地について必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該請求に係る土地を対象として、所有者不明土地管理人による管理を命ずる処分をすることができるものとされました。この制度を利用する場面として、土地家屋調査士の業務の関係では、所有者不明土地である隣地との境界の協議を行いたい場合に、選任された管理人と境界確認を行うことにより業務を遂行することが考えられます。これまでは境界の確認ができずに分筆等の登記の手続が困難となったり、取引に影響が出ていた場面において、既存の管理制度を利用するよりも有効な手段になるものと思います。利害関係人側が利用しやすい運用がされることを期待しています。























