紙上ブログ不動産屋の独り言628 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 対応に悩むゴミ屋敷の片付け 自然発火による火災を懸念
住宅新報 2021年11月16日 号 6面
当社管理のテラスハウスに中年の姉妹が入居している。以前は両親と4人で暮らしていたが、10年前に父親が、5年前には母親が亡くなり、子供だけになったところから様子がおかしくなった。姉妹は共に独身で、協力して両親の介護をしていたのだが、両親が亡くなると妹は会社を辞め自宅にこもるようになった。生活費はガードマンの仕事をしている姉の収入だけが頼り。家賃は家主の厚意で安くしてもらっているが、姉が定年退職すれば家賃を払うことも食べていくことも困難になると思う。更なる家賃の値下げは他の入居者と不公平になるということで望めない。妹が働きに出るしかないだろう。
足の踏み場もない
だが、姉は一般的な常識を備えているが、妹には他の問題もあった。片付けられない人、なのだ。3LDKに2人で暮らしているのに玄関を開けたところからゴミの山で、足の踏み場もないほど。2階に上がる階段もステップが見えない。2階の3部屋は窓からの光も通らない。そうなると怖いことがある。自然発火による火災である。現実に、数年前には、やはりゴミ屋敷になっていた別のアパートの部屋から火が出て消防車が駆け付ける騒ぎが起きている。家主と私で室内を見せてもらい、強く注意し、2カ月後に再び訪れると状況はほとんど変わっていなかった。ひとごとながら、どうやってトイレや風呂に入っているのか気になった。それより布団を敷くスペースもないと思われる。これでは姉は仕事から帰ってきても、体も心も休まることはないだろう。























